世界遺産4資産すべてを巡る 「富岡製糸場と絹産業遺産群」コース

富岡製糸場など4資産で構成される世界遺産すべてを1泊2日で巡るコース。
4資産の功績と連携が、いかに絹産業の発展に大きく貢献したかを学べるこのコースには、
観光地、グルメ、温泉などの魅力的なスポットも点在する。

群馬の絹の歴史をたどる旅、まずは富岡製糸場へ。路地が入り組む町並みの一角に見えてくる赤煉瓦の巨大な建物に目を奪われる。敷地内はサッカーグラウンド7面分もの広さがあるので、まずは東置繭所に展示されたパネルや映像などを見てから場内を巡ると効率がよく理解も深まる。
2時間ほどで見学を終えたら、ちょうどお昼どき。国道254号を西へ進んだ下仁田駅近くで下仁田かつ丼を賞味。丼からあふれるほどのボリュームなのに醤油ベースでくどくないシンプルな味わいだ。
午後は標高1000メートルの高原を目指して国道254号をさらに西へ進む。次第に山深くなってきた頃、神津牧場入口の看板を目印に右折する。この先はつづら折りの山道が続く。やがて視界が開けたら神津牧場に到着だ。清々しい風がわたる山の斜面で、草を食むジャージー牛の姿に癒やされながら味わうソフトクリームは格別。
牧場からさらに数分進んだ先が荒船風穴駐車場。そこから風穴までの800メートルは徒歩で移動する。夏でもひんやりとした風穴には明治から昭和初期にかけて蚕の卵が貯蔵された。電気冷蔵庫のなかった時代、風穴に目をつけ、天然の冷蔵技術を事業化した先人の知恵に驚かされる。
再び来た道を下仁田方面へ戻り、今夜の宿、磯部温泉へ。かつて島崎藤村や北原白秋など多くの文人が訪れた名湯でゆっくり疲れを癒やそう。
翌朝は甘楽町のこんにゃくパークへ。群馬県が生産1位を誇るこんにゃくについて楽しく学べる。無料のこんにゃくバイキングは調理アイデアも斬新、低カロリーなのもうれしい。
群馬のこんにゃくを満喫したら高山社跡へ。「清温育」という養蚕法を確立した高山長五郎が、その普及に努めようと築いた教育機関の発祥地。利益追求に固執せず、開発技術を広く世に伝えようとした功績が見逃せない。
ところで高山社跡がある藤岡市はグルメスポットが豊富にある。例えばご当地B級グルメ「キムトマ焼きうどん」は地元産トマトとキムチを使ったピリ辛ソースにまろやか玉子をのせた無国籍風の焼きうどん。藤岡IC近くには、農産物直売所やグルメ施設が充実の「ららん藤岡」がある。ランチやおみやげ選びに立ち寄ってみては。
旅もいよいよ終盤、世界遺産巡りのラストは伊勢崎市の田島弥平旧宅。現在も個人住宅のため建物内部の見学はできないが、周辺の養蚕関連スポットとあわせた散歩コースをたどるのがよい。富岡製糸場の建設に尽力した渋沢栄一の生家へも車で10分ほど。生糸の発展と、志高いリーダー達の深い関係を実感できるはずだ。

上信越道富岡ICまたは上信電鉄上州富岡駅 → 〈移動〉ICからは約3キロ(車約10分)駅からは富岡製糸場まで約1キロ(徒歩約15分)→ 各市営駐車場 → 〈移動〉約0.5キロ〜1キロ(徒歩約10分〜20分) → 富岡製糸場

養蚕農家などから納められる繭を保管した東置繭所。主要な建物は木の骨組みに煉瓦を積み上げて造る「木骨煉瓦造」で建てられた。

理解深まるガイド体制が充実富岡製糸場

明治5年(1872)に創業した官営の製糸工場。ほぼ当時のまま残る主要な建物のうちの2棟は内部の見学も可。建物自体の価値はもちろん、エピソードを交えてのガイドツアーや展示パネルなどを通じて、設立から操業停止までの115年にわたる工場の歩みがわかりやすく学べる。また、曜日によっては座繰り実演・体験やフランス式繰糸器実演も行われる。

9時〜17時(受付は閉場30分前まで。20名以上要予約)/12月29日〜31日休/大人1000円/電話:0274・62・5439(富岡市観光おもてなし課)

富岡製糸場の詳細はこちら >>

  • 解説員によるガイドツアー(約40分)がおすすめ。9時30分〜11時30分、13時〜16時まで30分刻みで出発(16時発は4月〜10月のみ。)。1人1回200円

  • 富岡製糸場の歴史や各建物について、解説員によるガイドと同じように誘導型で案内する音声ガイド。5か国語対応。1台200円

  • 西置繭所保存修理工事の現場を期間限定で公開。屋根の様子などをリアルに体感できる。受付は9時~16時。料金(ヘルメット貸出料)大人200円、中学生以下100円(別途、富岡製糸場見学料が必要)。

  • 繰糸所内部。昭和62年(1987)まで使われていた機械がそのまま残る。

富岡製糸場 → 〈移動〉約0.5キロ〜1キロ(徒歩約10分〜20分) → 各市営駐車場 → 〈移動〉約13.5キロ(車約25分) → 下仁田かつ丼

和風ダレにくぐらせるのが下仁田流下仁田かつ丼

卵でとじずキャベツものせず、醤油ベースのタレにくぐらせたとんかつをご飯にのせたシンプルなスタイル。下仁田駅周辺の黄色いのぼりがたつ8店舗で食べられる。

電話:0274・82・2371(下仁田かつ丼の会)

下仁田かつ丼 → 〈移動〉約26.6キロ(車約35分) → 神津牧場

名物は牛の行列とソフトクリーム神津(こうづ)牧場

海外で外国人との体格の差に驚いた神津邦太郎氏が、動物性タンパク質の必要性を感じ、明治20年(1887)に開いた日本初の西洋式牧場。搾乳のため列をなして牛舎へ向かう牛の行進が見どころ(13時ごろ)。

8時〜17時/無休/入場無料/電話:0274・84・2363

神津牧場の詳細はこちら >>

ミルクの味わいが濃厚なソフトクリーム(350円)

神津牧場 → 〈移動〉約1.5キロ(車約5分)→ 荒船風穴駐車場 → 〈移動〉約0.8キロ(徒歩約20分) → 荒船風穴

貯蔵施設の再現模型。石垣の上に建物が3棟造られていた

かつては蚕の卵の冷蔵庫荒船風穴

岩間から吹き出す冷気を利用した蚕の卵の貯蔵施設。ここに貯蔵し孵化(ふか)を遅らせることで年に複数回の養蚕を可能にした。さらに各道府県からの依頼に対応できるよう通信・輸送手段を整えて、全国の繭の増産に貢献した。

9時30分〜16時(団体は要予約、12月〜3月は閉鎖)/大人500円/電話:0274・82・5345(下仁田町歴史館)

神津牧場の詳細はこちら >>

  • 穴に手を入れると今でも冷風が感じられる

荒船風穴 → 〈移動〉約0.8キロ(徒歩約20分) → 荒船風穴駐車場 → 〈移動〉約42.5キロ(車約1時間10分)→ 磯部温泉(泊)

多くの文人に愛された湯の町磯部温泉

妙義山をのぞむ碓氷川沿いに開けた温泉地。10軒ほどの宿があり、温泉マーク発祥の地、日本の昔話「舌切雀物語」発祥の地といわれる。かつて多くの文人が訪れ、磯部公園の文学碑をめぐる散策が楽しめる。

電話:027・385・6310(磯部観光温泉旅館協同組合)

磯部温泉の詳細はこちら >>

万治4年(1661)の絵図に登場する日本最古の温泉記号

磯部温泉 → 〈移動〉約14キロ(車約30分)→ こんにゃくパーク

ぐんま名物こんにゃくの魅力を発信こんにゃくパーク

パネルや工場見学を通じてこんにゃくの歴史や雑学、製造過程が学べ、20種以上のこんにゃく料理バイキングが無料で味わえる。事前申し込みでこんにゃく作りなどの体験もできる。

9時〜18時(受付は17時まで)/無休/入場無料/電話:0274・60・4100

こんにゃくパークの詳細はこちら >>

こんにゃくパーク → 〈移動〉約19.3キロ(車約40分)→ 高山社跡

屋根には天窓という換気窓がつけられている

全国に通用する養蚕法の開発と教育に貢献高山社跡

高山長五郎が開発した、寒い時は蚕室を温め、暑い時は換気を良くする養蚕法「清温育」。この教育を行った高山社発祥の地で、今に残る建物では清温育に適した構造の原型がみてとれる。長五郎の緻密な研究データなど貴重な資料も展示。

9時〜17時、6月〜8月は18時まで(団体は要予約)/年末年始休/見学無料/電話:0274・23・5997(藤岡市文化財保護課)

高山社跡の詳細はこちら >>

  • 2階の蚕室。床には火鉢を置く穴や、1階の囲炉裏で温められた空気が通る穴がある。蚕棚の下は換気のため吹き抜けになっている。

  • 平成28年(2016)4月オープンの高山社情報館。教材となった掛け軸など貴重な品々が展示される。

高山社跡 → 〈移動〉約8.4キロ(車約20分)→ キムトマ焼きうどん

藤岡発B級グルメはトマトが主役キムトマ焼きうどん

異なるジャンルの飲食店が持ち寄ったアイデアから生まれた藤岡発B級グルメ。藤岡産トマトやキムチを入れたソースで炒めたうどんに、スクランブルエッグと鰹節をトッピング。6店舗で提供中。

電話:0274・22・0134(上州藤岡麵〈むぎっつら〉倶楽部)

キムトマ焼きうどんの詳細はこちら >>

キムトマ焼きうどん → 〈移動〉約3.4キロ(車約10分)→ 道の駅・ハイウェイオアシス ららん藤岡

一般道からも上信越道(上り)からもアクセス可道の駅・ハイウェイオアシス ららん藤岡

藤岡PAに隣接する道の駅。一般道・上信越道双方から利用できる(東京方面からは藤岡ICを降りての利用)。ふれあい広場を囲むようにグルメや農産物直売所、藤岡特産の花・シンビジウムをメインにした花の交流館、ミニ遊園地などがある。

営業時間・定休日は施設ごとに異なる/電話:0274・24・8220(藤岡クロスパーク)

道の駅・ハイウェイオアシス ららん藤岡の詳細はこちら >>

道の駅・ハイウェイオアシス ららん藤岡 → 〈移動〉約18.5キロ(車約35分)→ 田島弥平旧宅

田島弥平が考案した清涼育を行うための養蚕建物。1階が住居、2階が蚕室。屋根上にみられる櫓の窓と2階の窓を開閉することで、蚕室の温度や湿度の上昇を防いだ。

近代養蚕飼育法の祖田島弥平旧宅

通風を重視した蚕の飼育法「清涼育」を体系的に完成させた田島弥平の旧宅は、現在も個人住宅のため、見学は庭までとなっている。この旧宅から5分ほど歩いた田島弥平旧宅案内所では紹介ビデオや資料の展示、パンフレットの提供を行っている。ここを起点に旧宅を含めた養蚕関連ポイントを歩く見学コースもある。

9時〜16時/年末年始休/見学無料/電話:0270・61・5924(田島弥平旧宅案内所)

田島弥平旧宅の詳細はこちら >>

  • 旧宅見学の前に立ち寄りたい案内所。

  • 田島弥平著『養蚕新論』(明治5年〈1872〉刊)

  • 蚕の卵を産ませる際使った蛾輪(がりん)。病気の蛾の有無を調べた。

田島弥平旧宅 → 〈移動〉約4キロ(車約10分)→ 旧渋沢邸「中の家」

蚕室を備えた立派な豪農のたたずまい旧渋沢邸「中の家(なかんち)」(埼玉県)

近代日本資本主義の父といわれ、富岡製糸場との関わりも深い渋沢栄一の生地(通称「中の家」)。養蚕などを行う裕福な農家だった。現在の主屋は栄一の妹夫妻が明治28年(1895)に上棟したもの。

8時30分〜17時/年末年始休/見学無料/電話:048・577・4501(埼玉県深谷市文化振興課)

旧渋沢邸「中の家」の詳細はこちら >>

旧渋沢邸「中の家」 → 本庄児玉IC、本庄早稲田駅まで約9.5キロ(車約25分)岡部駅まで約5キロ(車約15分)本庄駅まで約7.5キロ(車約20分) → 関越道本庄児玉ICまたはJR岡部駅、本庄駅、JR上越新幹線本庄早稲田駅
モデルコースのエリアにある、そのほかのおすすめスポットをご紹介します。

群馬サファリパーク

富岡製糸場から約6.6キロ

約100種の野生動物をエサやり体験バスなどで間近に観察できる。ホワイトタイガーが人気。

9時30分~17時(11月~2月は16時30分まで。受付は閉園1時間前まで)/水曜休(GWなど特別期間は無休)/大人2700円/電話:0274・64・2111

群馬サファリパークの詳細はこちら >>

妙義山(妙義神社)

富岡製糸場から約15キロ

大分県の耶馬溪や香川県の寒霞溪と並ぶ日本三奇勝のひとつ。主峰に鎮座する妙義神社は日本武尊などの神々が祀られ堂々たる趣。

境内自由/電話:0274・62・5439(富岡市観光おもてなし課)

妙義山(妙義神社)の詳細はこちら >>

黒瀧山不動寺

下仁田ICから約15キロ

黒瀧山にある山岳信仰の霊場。行基作と言われ不動明王を安置したのが始まりと伝わる。

境内自由/電話:0274・87・3037

黒瀧山不動寺の詳細はこちら >>

上野スカイブリッジ

下仁田ICから約32キロ

上野村の天空回路にかかる歩行者専用の吊り橋(全長225メートル、高さ90メートル)。大自然の中、空中散歩が楽しめる。

電話:0274・59・2146(不二洞)

上野スカイブリッジの詳細はこちら >>

神流(かんな)町恐竜センター

下仁田ICから約36キロ

日本初の恐竜の足跡が発見されたことにちなむ施設。化石発掘体験(要予約)やレプリカ作製体験もできる(開催日など詳細はHP要確認)。

9時〜17時(入館は16時30分まで)/月曜休(祝日の場合は翌日休)/大人600円/電話:0274・58・2829

神流町恐竜センターの詳細はこちら >>

道の駅 玉村宿

関越道高崎玉村スマートICからすぐ

朝採りの地野菜が充実し、群馬県食肉卸売市場直営の「肉の駅」もある。揚げたての惣菜もお勧め。食事処では、ソースカツ丼や生姜焼き定食など上州麦豚を使ったメニューも味わえる。

9時30分〜19時(売店は9時30分〜18時30分)/第3水曜休、年末年始休/電話:0270・27・6688

道の駅 玉村宿の詳細はこちら >>

道の駅 オアシスなんもく

上信越道下仁田ICから国道254号、県道45号経由約11キロ

農林産物直売所には人気のパン、しそ巻き、手作り総菜、商工物産店にはしょう油、味噌、こんにゃく製品、和菓子など名産品がズラリ。

10時〜18時(11〜2月は17時まで)/火曜休/電話:0274・87・3350(直売所)、電話:0274・87・2512(商工物産店)

道の駅 オアシスなんもくの詳細はこちら >>