四阿山は群馬県と長野県の県境に位置する山で、日本百名山に選定されています。大きな山体はどこから見ても山の形が建物の屋根のように見えることから、「あずまやさん」と名づけられたといわれています。
四阿山を目指すルートはいくつかあり、どれも往復6時間以上で中級者以上向け。今回ご紹介する登山ルートは、群馬県嬬恋村から浦倉山と四阿山を往復するルートで、グリーンシーズンにパルコールつま恋リゾートからパルキャビンに乗ることができるため、比較的歩きやすいルートになっています。
下山後は湖や牧場など、嬬恋高原の自然を楽しみながらのんびり過ごすのがおすすめ。1日では回り切れない、見どころ満載のエリアです。
コース紹介
1四阿山の麓からパルキャビンで稜線へ
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2四阿山までは森と展望の稜線歩き
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3四阿山へ到着!360度の大展望を楽しもう!
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4バラギ湖散策と森に囲まれた温泉でのんびり
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5嬬恋牧場でソフトクリームをいただきます!
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6中居屋で野草の天ぷらに舌鼓♪
1四阿山の麓からパルキャビンで稜線へ

スタート地点は、群馬県嬬恋村にあるパルコールつま恋リゾート。この地点の標高は1370mで、盛夏には涼しさを求め、冬にはスキーを楽しみに、多くの観光客が訪れる場所です。ここからパルキャビンに乗って、浦倉山と四阿山を結ぶ、標高2100mの稜線まで向かいます。パルキャビンは関東最長の3200mの距離を、約15分で結んでくれるゴンドラで、7〜10月までの間は週末やお盆などを中心に運行しています。パルキャビンの終点から浦倉山までは往復約20分の道のり。ウォーミングアップも兼ねてまずは浦倉山へ向かいましょう。



スポットデータ
パルコールつま恋リゾート
0279-96-1177
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣バラギ高原
駐車場約3000台(無料)、トイレあり。
パルキャビンは、7月中旬〜8月中旬の土日祝日、お盆前後は毎日、8月下旬〜10月上旬の土日祝日に営業。片道1200円、往復2000円。パルキャビン運行日は、万座・鹿沢口駅から予約制のシャトルバスあり。シャトルバスの問合せは嬬恋村観光協会(0279-97-3721)まで。
稜線歩き
2四阿山までは森と展望の稜線歩き

浦倉山を往復してパルキャビンの終点に戻ってきたら、いよいよ四阿山を目指して歩き始めます。登り約1時間40分、下り約1時間20分、計3時間のルートです。実はこの稜線、四阿山のカルデラの縁なのです。カルデラとは、火山が噴火したあとにできる大きな窪みのこと。四阿山でいうと、浦倉山から四阿山、根子岳を結ぶ半円状の稜線の北側が大きな窪みになっています。ちなみに、この窪みの中には、日本の名瀑100選に選ばれている米子瀑布があり、下山後の観光におすすめです。
稜線歩きは、北欧を思わせるシラビソの森から始まります。ところどころ、開けた笹原や、展望のよい斜面があり、心地よいトレッキングルートです。なだらかな道でゆっくりと標高を上げ、茨木山の分岐を右に分けると、展望が開けた道になります。ここからは岩場が混じった登山道ですが、もうひと登り、15分ほどで山頂です。




稜線歩き
3四阿山へ到着!360度の大展望を楽しもう!



四阿山の山頂は北峰と南峰の2つのピークがあります。どちらも360度の大展望が広がる山頂で、目の前の浅間山を始め、東に草津白根山、西に北アルプスの峰々、北に頸城山地、南に八ヶ岳を見渡せます。景色を眺めながら、ゆっくり休憩を取るのがおすすめです。北西に見える笹に覆われたピークは根子岳で、花の百名山に選ばれている山です。初夏から夏にかけて、ヤナギランを始め、さまざまな高山植物が見られる山で、四阿山とセットで登る人も多いのだそう。四阿山の山頂付近も、6月中旬にはシャクナゲが咲き乱れ、稜線を彩りますので、季節を変えて登るといろいろな表情を楽しめます。
パルコールつま恋リゾートから約3.5km/車で約10分
4バラギ湖散策と森に囲まれた温泉でのんびり


下山後は、パルコールつま恋リゾートから自動車で約10分のところにある、バラギ湖へ。針葉樹の森に囲まれたバラギ湖は、しっとりとした高原の雰囲気が魅力。湖で釣りをしたり、周辺の森を散策したり、牧草の広場でごろごろしたり、のんびり過ごすことができます。湖畔にはキャンプ場があるので、満天の星空のもとで高原キャンプもおすすめです。バラギ湖から徒歩5分くらいのところには、嬬恋バラギ温泉「湖畔の湯」があります。のんびりと湯に浸かって、登山の疲れを癒やしましょう。


スポットデータ
無印良品カンパーニャ
嬬恋キャンプ場
03-5950-3660
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣バラギ高原
営業期間は4月下旬〜11月上旬。
バラギ高原キャンプ場
0279-96-0490
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401-107
営業期間は4月下旬〜11月上旬。
嬬恋バラギ温泉 湖畔の湯
0279-80-6020
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401
営業時間は11:00〜19:00、第2・第4水曜は休館(祝日の場合は翌日休み)。入館料は500円。
バラギ湖から約25.5km/車で約40分
5嬬恋牧場でソフトクリームをいただきます!



嬬恋高原周辺は、つまごいパノラマラインや万座ハイウェー、日本ロマンチック街道など、絶景が楽しめるドライブで有名な地です。キャベツ畑が広がる高原や、緑輝く美しい森など、すてきな景色を眺めながら、あちらこちらへ寄り道しちゃいましょう。一推しの寄り道スポットは、特製のソフトクリームが味わえる嬬恋牧場です。レストハウスでは、朝どりキャベツや特産品など、ここでしか手に入らないお土産がたくさん。食堂では、嬬恋のキャベツをふんだんに使ったハンバーガー「愛妻スロッピージョー」や「やまと豚カレー」など、地元の食材を使った料理が味わえます。
また、ここ嬬恋村は、愛妻家の聖地としても有名な場所。嬬恋牧場の敷地内にも多くの愛妻家が訪れるスポットがあり、その名も「愛妻の鐘」です。かわいいハート型の門は記念撮影にぴったり。そこから眺める浅間山と嬬恋高原の景色も見どころのひとつです。


嬬恋牧場から約13.5km/車で約20分
6中居屋で野草の天ぷらに舌鼓♪

中居屋は老舗の割烹料理屋。万座・鹿沢口駅から徒歩約5分のところにあります。名物は手打ちそば。北海道産、地元嬬恋産のそばを丁寧に石臼で挽き、打ち立ての薫り高いそばを味わうことができます。おすすめは山菜の天ぷら付もりそば。うこぎ・うど・からはなそう・くさふじ・こあじさい・さんしょう・またたび・みず・もみじの9種類の山菜は、色とりどりで華やか。くさふじの花は柔らか、からはなそうは爽やかな苦みと、それぞれに豊かな味わいが楽しめます。採れたてのものを提供するため、扱う山菜は約70種。まさに四季折々の味です。
現在、店を切り盛りするのは家祖である中居屋重兵衛の七代目と八代目。店内には重兵衛の資料がたくさん展示されていました。19世紀・江戸時代に、当時は秘伝とされていた火薬の作り方を表した「集要砲薬新書」やオランダ語の辞典「和蘭文典読法」などの出版に尽力した人物です。横浜開港と同時に、群馬県で生産された生糸の輸出を海外へと売り込み、貿易商としても活躍しました。JR万座・鹿沢口駅前には中居屋重兵衛の功績を称えた碑がありますので、旅の終わりにぜひお立ち寄りください。



GOALまとめ
往復約3時間の登山コースですが、テレキャビンの営業期間外だと、約4時間が上乗せされます。バラギ湖や、嬬恋牧場など、周辺には観光名所がたくさんありますので、鹿沢温泉や新鹿沢温泉、奥嬬恋温泉など、周辺の温泉地に1泊して、ゆったりスケジュールを組むのがおすすめです。
登山データ
パルキャビンの終点
10分
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浦倉山
10分
↓
パルキャビンの終点
1時間45分
↓
四阿山
1時間30分
↓
パルキャビンの終点


体験・スポット
パルコールつま恋リゾート
0279-96-1177
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣バラギ高原
駐車場約3000台(無料)、トイレあり。パルキャビンは、7月中旬〜8月中旬の土日祝日、お盆前後は毎日、8月下旬〜10月上旬の土日祝日に営業。片道1200円、往復2000円。パルキャビン運行日は、万座・鹿沢口駅から予約制のシャトルバスあり。シャトルバスの問合せは嬬恋村観光協会(0279-97-3721)まで。

体験・スポット
無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場
03-5950-3660
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣バラギ高原
営業期間は4月下旬〜11月上旬。

体験・スポット
バラギ高原キャンプ場
0279-96-0490
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401-107
営業期間は4月下旬〜11月上旬。


温泉
嬬恋バラギ温泉 湖畔の湯
0279-80-6020
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401
営業時間は11:00〜19:00、第2・第4水曜は休館(祝日の場合は翌日休み)。入館料は500円。